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Aroma therapy

アロマセラピー

目次

アロマセラピーとは

アロマセラピーとは、天然の植物から抽出されたエッセンシャルオイルを用いて、香りを吸い込んだり希釈して皮膚に塗布したりして心身の健康を促す療法のことです。
日本でも香薬といって焚香(ふんこう)料、香辛料、薬物の総称として使われており、有名なものとして正倉院の所蔵帳に記されている名香の蘭奢待(らんじゃたい)は有名です。この時代「香りと薬」は同じものとして扱われており他にも沈香・白檀・丁字・麝香などの香材料があります。
エッセンシャルオイルは、植物の花、葉、茎、果皮などから抽出された精油で、多くの植物には香り成分や生理活性成分が含まれています。

アロマセラピーの歴史

アロマセラピーの歴史は非常に古く、さまざまな文化や民族において香りの力を利用した療法が行われてきました。

  1. 古代エジプト:
    アロマセラピーの起源は古代エジプトに遡ります。古代エジプトでは、植物のエッセンスや香りを用いて健康や宗教的な儀式に利用していました。特に、エジプトの女王クレオパトラはアロマセラピーに熱心で、美容や癒しの目的で香りを使用していたと言われています。
  2. 古代中国:
    古代中国でも、香りを用いた療法が行われていました。中国では香道と呼ばれる伝統があり、香りの力を通じて心身のバランスや癒しを追求していました。また、漢方医学の一環として、植物の香りやエッセンスを処方に使用することも行われていました。
  3. 古代インド:
    古代インドでは、アーユルヴェーダと呼ばれる伝統的な医学が発展しました。アーユルヴェーダでは、植物の香りや精油を用いた療法が重要な役割を果たしていました。特に、精油やハーブの香りは、心身のバランスを整え、健康や精神的な癒しを促すとされていました。
  4. 現代のアロマセラピーの形成:
    現代のアロマセラピーは、20世紀初頭にフランスの化学者であるルネ・モーリス・ガットフォッセ(René-Maurice Gattefossé)によって形成されました。彼は、植物の精油の抗菌効果を研究中に自らの手を火傷し、偶然にラベンダー精油を使用して治癒した経験から、精油の医療的な応用を追求しました。

その後、ガットフォッセの研究を基に、フランスの医師であるジャン・バルフィ(Jean Valnet)やマルグリット・モーリー(Marguerite Maury)などがアロマセラピーの研究を進め、精油の効能や使用方法について体系化しました。
現代のアロマセラピーでは、植物から抽出された精油を用いて、マッサージ、入浴、拡散、吸引などの方法で利用されます。
さまざまな精油があり、それぞれが異なる効果や特性を持っています。アロマセラピーは、ストレスの軽減、リラクゼーション、睡眠の改善、免疫システムの強化など、さまざまな効果が期待されています。

アロマセラピーで期待できる効果

  1. リラクゼーション効果:
    エッセンシャルオイルの香りが、脳に作用してリラックス効果をもたらします。
  2. ストレス解消効果:
    エッセンシャルオイルの香りが、ストレスを解消し、心身のバランスを整えます。
  3. 睡眠改善効果:
    エッセンシャルオイルの香りが、心身をリラックスさせ、自然な眠りを促します。
  4. アンチエイジング効果:
    エッセンシャルオイルに含まれる成分が、肌のターンオーバーを促進し、美肌効果が期待できます。

アロマセラピーの注意点

  1. 過剰な使用は有害:
    エッセンシャルオイルは非常に濃縮された成分であるため、使用方法を誤ると健康に害を与える可能性があります。
  2. アレルギー反応を引き起こす場合がある:
    エッセンシャルオイルには、アレルギー反応を引き起こす成分が含まれる場合があります。
  3. 柑橘系のエッセンシャルオイルは光毒性を持つ:
    柑橘系のエッセンシャルオイルを使用する場合は、使用後24時間は日光に当たらないようにする必要があります。※柑橘系の全てに光毒性がある訳ではないのでご留意ください。

医療関係者向け情報

  • Aromatherapy – Systematic Reviews/Reviews/Meta-analyses(アロマセラピー – システマティックレビュー/レビュー/メタアナリシス)(英語サイト)(PubMed®)
  • Aromatherapy – Randomized Controlled Trials(アロマセラピー – ランダム化比較試験)(英語サイト)(PubMed®)